ドリームマッチ [書籍]
相変わらず速攻で読了できる今野先輩の小説。
神骨拳法みたいな流派の男が、前田日明がモデルのような奴に勝負を挑まれる。
協力するのは、藤原喜明みたいなオヤジレスラー。
美女の師範代にも叩きなおされる。
マス大山みたいな人物も出てくる。キャラクターが皆魅力的だ。
試合のシーンは短いが、それはそれで問題ない。
四天王プロレスじゃないし。
お勧め度:☆☆☆ 藤原喜明度:☆☆☆☆ 俺度:☆☆☆
喪失 [書籍]
スウェーデン発のミステリー。
主人公は、金持ちの家に生まれた33歳の現女ホームレス。
たまに、清潔なスーツを身につけ、ホテルのレストランで男を騙し、高級料理と部屋を確保する。財布が無くなったとか吹かして、男から金を借り踏み倒す。寝るわけで無く、部屋を別に用意させるのだ。
いつものように、その手口が成功するも、その日の男が惨殺されてしまい、見事、殺人事件の容疑者に。同じ手口の殺人が続き、連続殺人の犯人とされてしまった。
逃走先の学校の屋根裏部屋で知り合った少年の助けをうけて、真犯人探しが始まる。
主要なパートのミステリー部分もいいのだが、主人公が家出をしホームレスになるまでの過程の描写が面白い。また、前半の警察から隠れまくっている様子もなかなかだ。
その辺の描写が長く、何と犯人探しは、全編の3分の1程度にしか満たないのだ。
そして、どう考えてもアッーな犯人に誰もが思い至るのだが、主人公は真犯人のことを簡単に信用し、自ら危機に陥る。
危機を脱出するも、警察に捕まるが、容疑が晴れるのが異常に早い。
ちょっと後半は、前半の丁寧さに比較すると、あまりに雑ではないかと。
とんでもないバッドエンドになるのかと思ったら、棚から牡丹餅みたいなことになった。
お勧め度:☆☆☆ 棚から牡丹餅度:☆☆☆ 俺度:☆☆☆
百番目の男 [書籍]
動機が変だと聞き読んだのだが、メッセージの謎が変態だの間違いだった。
変態サイコ炸裂の後半は面白いのだが、悪戯に登場人物が多く、風景の描写がクドイので、なかなかページが進まない。
主人公の刑事の兄が、ハンニバル・レクターのような奴で、事件の解決に協力するのだが、あまり魅力的な人物でない。
連続殺人で男が何人か殺されるのだが、とうてい100人でなく、何が100番目の男なのか判らない。
枝葉を削って映像化すれば、結構面白いかもよ。
シリーズとして後続があるのだが、多分読まないだろう。
お勧め度:☆☆★ 変態度:☆☆☆★ 俺度:☆☆
タグ:ミステリー
老人と犬 [書籍]
レインツリーの国 [書籍]
ネットで始まる恋。
インターネット以前のパソコン通信で知り合って結婚した連中を二組知っているから、まあ今に始まったことでもないし、それ程珍しいこともない。
ただ、この作品では言葉と文章というものが大切にされている。
ほとんどがメールのやりとりで、全編が進む。
関西人の主人公が、メールでも関西弁を駆使するのが、その厚かましさに最初はどうかと思うが、逆に厚かましいが故に好感の持てる男なので、まあ、そのうちに気にならなくなる。
しかし、この主人公以外で、5,6年以上東京生活をしていて、関西弁を使い続ける人間を一人しか知らない。鷲山というナイスガイを除いて。「ホンマ」
お勧め度:☆☆☆ ネット度:☆☆☆ 俺度:☆☆☆
陽だまりの彼女 [書籍]
ベタベタなラブストーリーであり、ミステリーな展開を見せ、悲恋物かと思いきや、ファンタジーだった。と、解説者の弁。
ファンタジーという言葉が意識されたため、何となく終わり方が想像できた。案の定だった。まあ、それはハッピーエンドなので、それほど文句は無い。わざと露骨に伏線を引いている節もある。
が、前半のベタベタな部分が長過ぎ。短編小説に纏めた方が、より名作になったような気もしないでもない。いくつかのエピソードは不要だ。
まあ、かなり照れくさい話だが、概ね良好。
お勧め度:☆☆☆ ファンタジー度:☆☆☆ 俺度:☆☆☆
チルドレン [書籍]
飛行艇クリッパーの客 [書籍]


「大聖堂」で有名なケン・フォレット作。「大聖堂」は、あまりに長いので手を出していないのだけど。
これは、昔購入して読んだ本。今は、残念ながら絶版。飲み屋でケン・フォレットの話題が出た時に、「じゃあ、貸すよ。」となったので、貸す前に読み直してみた。
全くストーリーを忘れていたので、面白く読めたよ。
第二次世界大戦前後に大西洋太平洋間を就航していたパンナムの飛行艇クリッパー。
これは、イギリスとドイツが開戦した時のイギリスからアメリカへ飛行するクリッパーを舞台とした群集劇。
嫁をギャングに攫われて、飛行艇を不時着させろと脅されている飛行艇のエンジニア筆頭に、偽のパスポートでアメリカへ渡ろうとする泥棒、亭主を捨てアメリカ人の男と渡米しようとする主婦、それを追いかける英国田舎紳士、弟に会社を乗っ取られれようとしているアメリカ婦人、凶悪犯と護送のFBI、イギリスから逃げ出すファシストとその家族などなど、多種多様な人物が出てくる出てくる。
一人を除いて、皆それなりの描写があるも、クライマックスに向けて鮮やかに話は進行する。
ま、この一人の扱いは、あんまりなので、これが映画だとしたら、この役は不人気だろう。カメオというレベルだ。
ラストの若い二人も清清しい。
パーシー君にも栄光あれ!
そこら中で恋しているのは、ちょっと何だけど。
映画にすると面白そうな題材なんだけどなぁ。尺も丁度よさそうだし。
クリッパーは、ボーイング314というもので、12機のみ製作されたそうだ。
飛行艇という名前から飛行船を想像し、胴体が丸いものなのかと思ったが、こんな形態だ。

フライトデッキ

操縦席

お勧め度:☆☆☆★ 大団円度:☆☆☆☆ 俺度:☆☆☆★