孤高のメス [日本映画☆☆☆★]
料金:1200円(レイトショー料金) パンフレット:700円(買っていない)
『孤高のメス』公式サイト
冴えないタイトルの医療小説が原作。タイトルは、アレだし、現役の医者の文章なので、何とも堅苦しいのだが、話はとても面白い。ディテールがしっかりしているので非常に興味深く、手術シーンも専門用語はあるが、イメージ可能で読みやすい。全6巻の長編だが、一気に読める。まあ、1巻は200ページくらいで、「幻魔大戦」くらいの厚さなんだが。
小説の感想の記事。
小説の主役の当麻鉄彦の推定年齢が35歳くらいなので、堤真一が演じると聞いたときは、違和感を覚えた。寧ろ不安感しかなかった。
で、まあ、ある程度覚悟して観にいったのだが・・・
日本初の脳死肝移植に挑む完全無欠の人格者である医者の話。(原作)
当麻が、都はるみのファンで、オペ中に歌を流すという謎の設定は兎も角、脚色およびそれに伴うキャラクター設定の変更を巧く行っている。無理に原作に拘らず、要領よく端折り、大胆に変更を加えて、2時間程によく纏めた面白い話になっていた。
原作が好きな作品では、120%不満だらけ(※)だったのだが、今回は異例の高評価だ。※過去で一番許せんのは、「マイ・ボディーガード」とかいう「燃える男」の映画。
「ミッドナイト・イーグル」の監督にしては上出来じゃん。いや、巷で思い切り評判の悪い「ミッドナイト・イーグル」、俺はそれ程嫌いでないんだけどね。そもそも、この監督の直近作「ラブ・ファイト」は好きだし。
あ、でも両作品で共通の主役大沢たかおが、当麻鉄彦を演じていたら、本作の評価はどうなったかわからないけど・・・。
原作と登場人物の違い(読み返した訳で無く記憶だけに頼っているので、微妙に間違っているかも)
堤真一(当麻鉄彦)
主人公。年齢が原作より10歳ほど上。尋常でなく生真面目で馬鹿丁寧な部分が削がれた。原作の当麻は、あまりに人間離れしているもんな。しかし、何故都はるみなんだ。1990年頃40~45くらいの男の聴く音楽か・・・
夏川結衣(中村浪子)
看護士。脳死状態の少年を紹介する役割だった(はずだ)が、本作では重要な役割を与えられている。彼女のナレーションで話が進む。影の主役。当麻への純愛。別れのシーンで「好きになった人」が流れたらどうしようと少しびびって観ていた。
吉沢悠(青木隆三)
若い医師。後述の駄目医野本の部下。映画では野本に嫌気がさして病院を辞める。原作では野本が速攻で追い出されるので、青木は念願の当麻の元で働ける。しかし、病院の事務員に惚れてしまい、その事務員は当麻を好き。そこで、いたたまれなくなって病院を辞める情け無い男。当麻は、かつて在籍した関東の研究施設(?)を紹介するが、映画ではピッツバーグの肝移植の研究所(?)を紹介している。
中越典子(大川翔子)
病院に力を入れていた市長の娘。原作では、当麻とかなりいい仲になるが、映画では見合いをするだけで、何ら進展が無い。これは無関係にして大成功だ。
矢島健一(村上三郎)
病院の事務長。原作では院長の弟、映画では雇われている人物で、しかも悪役にポジション変更。本来の島田三郎さんが可哀想な扱い。
成宮寛貴(中村弘平)
原作には出て来ない(はず)。当麻の話が1990年頃の話なのだが、当時当麻と組んでいた看護士中村浪子の子供。母親が亡くなり荷物を整理している時に、当時の日記を発見。当麻のことを知る。狂言回し。しかし、映画の中では無駄な存在ではない。
平田満(島田光治)
市民病院の院長だが、原作では個人経営の病院の院長。キャラクター設定は、唯一原作通りか。
松重豊(実川剛)
当麻の理解者。大学病院の教授。原作では、野望に燃える助教授で癖のある興味深い人物だったが、松重豊なのでか単なるいい人に成り下がった。日本沈没の豊川悦司がイメージだったのだが。あそこまで尊大でないけど。
原作でも当麻には一目置いていて、ある意味尊敬も嫉妬もしている。
余貴美子(武井静)
脳死の息子の肝臓を提供する母親。行動原理は原作と同一。原作より出番が多い。感動シーンは彼女の担当になっている。どこでも余貴美子は、流石に凄い役者だ。
野本六郎(生瀬勝久)
原作より役柄が一番出世した奴。当麻の赴任先の古株の外科医。当麻が赴任しても病院を追い出せないので、野本の第一外科、当麻の第二外科と二つに分かれた。手抜き、サボり、嘘つきの駄目医者。当然、当麻が担当医の日の評判がいいので、頭に来ている。原作では、1巻で不倫絡みで自ら消えていく不戦敗な奴だが、映画ではより図々しくなって最後まで奮闘する。
柄本明(大川松男)
肝硬変で倒れる市長。設定に大きな変更は無い。
サイトで紹介されていない奴。
役者不明(矢野)
当麻の弟子。原作では、併設されたホスピスの看護士に惚れるエピソードがあった。たいした話じゃなかったのだが無理やり入れられた感。目立たないので作者の同情を買ったのか。
原作でも印象が薄いように、映画ではより一層目立たない。
原作で活躍していたのだが、映画では登場なしの人々。
実川のボス(中央進出を狙う野望の塊の大学病院の教授。財前みたいな奴?)
保険の利かない痔専門病院の院長
スクープを狙う医療新聞記者
野本の子飼いの使えない医者
台湾の名医
当麻に惚れる事務員
無理に出さないのは映画としては正しい選択。しかし、小説では面白いキャラなんで外しがたいものもある。
舞台は琵琶湖周辺だったのが千葉になっているようだ。意図は不明。ロケ地の問題か?
ちなみに当麻は腕がいいのでメスを振るっても血もあまり出ず、何と手術シーンの内臓も気色悪く感じ無い。
お勧め度:☆☆☆★ 脚色度:☆☆☆☆ 俺度:☆☆☆★
↓続編のようだ。去年の秋に出版されているのに増刷無し!どういうことだ!?
↓いつも言っていますが、医者関連フィクションの最高傑作。貸した本は、又貸しの又貸しで行方不明。それでもそいつを怒らなかった。多くの人に読んでもらえるなら。
JAZZ WITH KAZZ小林和仁氏も、手塚先生の最高傑作との評価。
きりひと讃歌(1) 楽天ダウンロード
トラックバック 25
堤真一主演の硬派な医療モノ。 気になりますね。 看護師の母・浪子の葬式を終えた新米医師の息子・弘平は、 整理していた母の遺品から一冊の古い日記帳を見つける。 1989年。 浪子が勤めるさざなみ市民病院は、大学病院に依存し、 外科手術ひとつまともにできない地方病院
満 足 度:★★★★★★★★★★ (★×10=満点) 試写 ヤクルトホールにて鑑賞 2010年06月05日 公開 監 督:成島出 キャスト:堤真一 夏川結衣 吉沢悠 中越典子、他 …[続く]
天才的な技術を持ったさすらい医師が地方の市立病院を意識改革していくヒューマンドラマ。
1989年、ある地方都市。市民病院に赴任した外科医の当麻は病院の体制に不満を感じながらも、次々と困難なオペに取り組み、医師としてやるべき仕事にまい進していく。しかしそんな中、病に倒れた市長のために、違法となっている肝臓移植手術を施すべきか否かの選択を迫られ
命を繋ぐ。想いを繋ぐ。それが移植手術の本当の姿であり、医療に携わる者の本来あるべき純粋な姿。 当初は全く興味のない映画でしたが、原作者であり現役医師でもある大鐘稔彦先生が淡路島の方だと聞き、同じ選挙区の映画好きとしては是非見なければと思い映画館に足を運び....
現代社会の医療問題に鋭く斬り込んだ大鐘稔彦さんの原作小説を映画化した作品です。医療ドラマは映画でもTVでも作品の方向性の違いはありながらも良作の目立つジャンルだけにこの作品に対する期待値も自然に大きくなってしまいます。主演は堤真一さん、監督は『フライ,ダディ...
大鐘稔彦著の同名小説を映画化した医療ドラマです。 堤真一さんが外科医の役を演じると聞いて、ちょっと気になっていました。 約20年前の医療現場はこうだったのか…と改めて考えさせられるような状況が広がっていました。
シングルマザーでいやいや看護婦をしていた浪子の病院に配属されてきた当麻は、慣例よりも患者の命を重んじる外科医だった。信頼も尊敬も出��...
『孤高のメス』を渋谷TOEIで見ました。予告編を見たときから、この映画の真摯さが伝わってきたからですが。 (1)実のところ、この作品のストーリーは極めて単純です。 20年ほど前、ある地方都市の市民病院に、米国帰りのバリバリの外科医・当麻(堤真一)が赴任し、それまでこの病院では手がつ…[続く]
地方の市民病院を舞台に外科医療に携わる人たちの姿を描いた作品です。
【孤高のメス】 ★★★★★ 映画(祭)(30) ストーリー 現役の看護師でありながら病院内で適切な処置を受けられずに急死した浪子。彼女の葬式
ルールというのは難しい。 なぜならばルールを定めた時に、どうしてもどこかに線が引
急死した看護師の母の葬儀のため、新米医師の弘平(成宮寛貴)は寂れた漁 師町に帰って来る。母の遺品を整理するうち、彼は「1989」と書か...
現職医師でもある作家・大鐘稔彦のベストセラー小説を映画化。1989年、とある地方病院に赴任してきた天才外科医が、当時タブーとされていた脳死肝移植手術に挑む。 充分と...
監督:成島出原作:大鐘稔彦出演:堤真一、夏川結衣、吉沢悠、中越典子、矢島健一、成宮寛貴、平田満、松重豊、余貴美子、生瀬勝久、柄本明試写会場 : よみうりホール公式サイト...
当日は完成披露試写会と言うことで出演者の堤真一、夏川結衣、吉沢悠、中越典子、平田満、成島出監督、原作者・大鐘稔彦氏、イメージソングを歌った馬場俊英さんの舞台挨拶があり...
いろんな意味でネームバリューの大きな話題作が目白押しだった週末、上映館数も回数も少なくないし、個性派俳優で固めたキャスティングも面白そうなのに、埋もれそうになってた『孤高のメス』を観てきました。 ★★★★★ 本を読まなくなって久しいもので、この映画の原作もベストセラーだったとは知りませ…[続く]
映画『孤高のメス』は、実際に医療に携わる大鐘稔彦氏の同名小説を映画化した作品です。堤真一さんは、主人公の外科医・当麻鉄彦 役で出演しています。先日、劇場に観に行きました。●導入部のあらすじと感想
現職医師である大鐘稔彦のベストセラー小説を基に、地方の市民病院を舞台に 目の前の患者を助けることだけに全力を尽くす一人の医師の真摯な姿を描き ながら今の日本の医療問題に浮き彫りに描く医療ドラマ。 主演は、『クライマーズ・ハイ』の堤真一。共演には、『BALLAD ..
いまや、日本映画に欠かせないおばちゃんになってしまった余さんがすごい!
孤高のメス 監督: 成島出 出演: 堤真一、夏川結衣、成宮寛貴、吉沢悠、余貴美子、生瀬勝久 公開: 2010年6月 こんな...
□作品オフィシャルサイト 「孤高のメス」□監督 成島 出 □原作 大鐘稔彦 □脚本 加藤正人□キャスト 堤 真一、夏川結衣、余 貴美子、柄本 明、吉沢 悠、中越典子、松重 豊、成宮寛貴、平田 満、生瀬勝久■鑑賞日 6月13日(日)■劇場 チネチッタ■cyazの満足度 …[続く]
自身も医師である大鐘稔彦の同名ベストセラー小説の映画化。脳死肝移植というタブーに挑んだ一人の外科医を描いた社会派医療ドラマだ。主演は『クライマーズ・ハイ』の堤真一。共演に夏川結衣、吉沢悠、中越典子、成宮寛貴、余貴美子、生瀬勝久、柄本明など若手・中堅・ベテランにバランスの良い布陣。監督は『…[続く]
☆忙しいので短信ですまん。 月並みな話ではあるが、力強く描かれた力作だった。 類まれな外科手術の技術を持つ医師が、「目の前の患者に全力を尽くし、救う」と言う確固たる意思のもと、設備の伴わない市民病院で、当時、法律で是非があいまいであった脳死肝移植に挑む物語。 スケールを大きく…[続く]
医療を扱った映画で、手術シーンは珍しくない。 『白い巨塔』の冒頭でも手術シーンがあり、スクリーンに臓器が映し出された。 私は��...



















先日、ブック・オ○にて、3巻から6巻まで購入いたしました。
1と2がまだ手に入らないという、なんとも仕様がない展開で、いまさら定価で買いたくもないので、もう2,3軒回って探します。
早く読みたいのですが、別のつんどく本もいっぱいあって、いつになるやら。
結構、堤もよかったのでは!
SABU監督の常連の頃は、やたら走ってるイメージだったのですが、腰すえた役柄が、似合うようになって来ましたね。
by sakurai (2010-06-23 14:46)
>sakuraiさん
薄い本で、以外に波乱万丈なので、読み始めると終わるのは早いと思います。
原作のキャラとかなり違いますが、堤はミスキャストでありませんでした。あの映画の世界観に合っていましたね。
そう言えば、SABUの映画で、二日酔いで記憶の無いサラリーマンを演じましたっけ。(SABUの映画って、これと「アンラッキー・モンキー」しか観ていません。)
by バラサ☆バラサ (2010-06-24 00:58)
こんばんは。
地味な印象でしたけど、見応えのある作品でした。
原作が良さそうですよね~
気になっているのですけど、まだ手が出せません。
いつか原作にもチャレンジしてみたいです☆
by non_0101 (2010-06-30 00:41)
>non_0101さん
原作はお勧めです。
当麻は完全無欠の高潔な男なんで、人間としての面白みはありませんが、脇のキャラクターが良く出来ています。
一巻は短いし、手術描写もたいしたことないし、楽に読めますよ。
by バラサ☆バラサ (2010-07-04 03:53)